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認知が広がり、服用する人も増えてきて身近な存在になりつつあるピルですが、ピルの種類や効果の違いを知らないという人は少なくありません。
そこで、低用量ピル、中用量ピル、ミニピルの違いについて紹介していきます。
「これからピルの服用を考えているけど、どれを選べば良いのかよくわからない」という方は、是非参考にしてみてください。
ピルには高用量ピル、中用量ピル、低用量ピル、ミニピルの4種類があります。
ただし、高用量ピルは深刻な副作用等のリスクから現在では殆ど処方されることがありません。
そのため、一般的に処方されるのは中用量ピル、低用量ピル、ミニピルの3種類です。
様々な違いがありますが、主に配合されている女性ホルモン(エストロゲン)の含有量と含有成分が違ってきます。
さらに、近年では低用量ピルの中でもエストロゲン配合量を少なくした【超低用量ピル】も見かけるようになりました。
超低用量ピルとミニピルは混同されがちですが、ミニピルはエストロゲンが配合されておらず黄体ホルモンのみが含まれています。
ミニピルと中用量ピルや低用量ピルは成分が違うので、別の薬と言っても良いでしょう。
それぞれのピルは、エストロゲンの配合量や配合成分の違いにより効果が違います。
そのため、目的によって適切な種類を選んで服用する必要があります。
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低用量ピル・中用量ピル・ミニピルの副作用には以下の症状があります。
<低用量ピル・中用量ピル>
吐き気/嘔吐/発疹/湿疹/肌のかゆみ/肝臓の機能異常/不正出血/乳房の張り/むくみ/便秘/下痢/口内炎/ほてり/肩こり/腰痛/眠くなりやすい/血栓症のリスク
<ミニピル>
不正出血/乳房の張り/頭痛/気分不良/吐き気/嘔吐/不安感
副作用の多くは服用を続けていくと緩和されていく事が多いです。
また、低用量ピルは中用量ピルよりも副作用が起こりにくく、ミニピルではさらに起こりにくいと言われています。
それぞれの違いが分かった所で、まずは低用量ピルの用途や種類について紹介していきます。
低用量ピルは副作用も少なく最もメジャーなピルなので、使用する機会がある人や服用を考えている人は是非参考にしてみてください。
主に経口避妊薬として使われ最も身近なのが低用量ピルです。
月経困難症、生理に関するトラブル、肌荒れの改善を目的として使われることもあります。
中用量ピルに比べてホルモン量が少ないため副作用の出にくいのが大きなメリットでしょう。
しかし、一回で摂取するホルモン量の少なさから飲み忘れた際に避妊効果が大幅に低下したり生理に関する症状が再燃したりする可能性も十分考えられます。
また、低用量ピルには1シート全て同じホルモン量の1相性ピルと、1シートの中でホルモン量が3段階に変化している3相性ピルがあります。
さらに21錠タイプと28錠タイプに分かれていて、それぞれに服用方法が異なるのも特徴の1つです。
低用量ピルは、医学の進歩と共に新しいものが開発され、順に第一〜四世代に分類されます。
それぞれの世代には特化した効用が違うので、使用する低用量ピルに悩んだ際には、世代ごとの違いや特徴を比較してみるのがおすすめです。
<第一世代>ノルエチステロン
第一世代の低用量ピルは、ノルエチステロンという黄体ホルモンが配合されています。
日本で最初に製造が承認された低用量ピルで、現在でも避妊や女性の病気などに幅広く用いられています。
第一世代の低用量ピルは生理時の出血量の抑制、生理痛の緩和が期待できます。
月経困難症の改善に用いられることも多いです。
肌トラブルを改善する副効用も認められているため、美容目的で第一世代の低用量ピルを選ぶ人もいらっしゃいます。
<第二世代>レボルノゲストレル
第二世代の低用量ピルには、レボルノゲストレルという黄体ホルモンが配合されています。
第二世代の特徴は、全てのピルが3相性ということ。
第一世代の低用量ピルよりも、自然なホルモンバランスを再現することで配合するホルモン量を減らすことができています。
ホルモン配合量が少ないことで、第一世代と比較して副作用が現れにくくなりました。
ただし、低用量ピルはどの世代でも血栓症のリスクを持つ薬です。
極僅かな確率はありますが、血栓症のような重大な症例があることを心に留めておきましょう。
<第三世代>デソゲストレル
第三世代の低用量ピルには、デソゲストレルという黄体ホルモンが配合されています。
第三世代では、ホルモンの配合バランスによって一相性でも副作用を抑えることができるようになり、第二世代とは対照的に全種類が一相性になりました。
男性ホルモンの抑制効果が高いため、にきびや多毛症の改善に用いられます。
第二世代よりもエストロゲンの配合量が減っているため、胸の張りや頭痛といった副作用が起こりにくくなっているとされています。
しかし、第三世代ピルは他の世代よりも血栓症リスクが高くなる恐れがあるとの声も。
科学的な根拠は発見されていませんが、実際の症例からデソゲストレルが血栓症を引き起こしているという研究者の声も無視できません。
<第四世代>ドロスピレノン
最も新しい第四世代の低用量ピルには、ドロスピレノンという黄体ホルモンが配合。
第四世代ピルは「超低用量ピル」とされ、避妊効果が期待できる最小限のホルモン配合量で製造されています。
エストロゲンの配合量も少ないため副作用が起こりにくく、授乳中や35歳以上の人でも服用できるのが特徴です。
第四世代以前のピルは、男性ホルモンをベースとして製造されていましたが、この世代から利尿ホルモンがベースとなっています。
現在、第四世代ピルは保険適用としてのみ処方され、PMSや生理にまつわるトラブルの改善に主に使用されます。
避妊を目的とした処方は受けられないため、目的に合わせて低用量ピルは選ぶようにしましょう。
続いて、低用量ピルをいくつかに分類して一覧で紹介します。
中用量ピルはホルモン配合量が多く、効果が出るまでの時間が低用量ピルに比べて早く強いのが特徴です。
緊急避妊薬は性行為から72時間以内に服用することで妊娠を防ぐ効果が期待できることから、避妊無しの性行為を行ってしまった際に利用されます。
ノルレボやレボノルゲストレル、エラといったアフターピルを服用するのが主流となっております。
月経を予定日から早めたり遅らせたりする月経移動や月経困難症の改善にも効果があります。
ただし、中用量ピルは低用量ピルよりもホルモン配合量の多いため、副作用のリスクが高まります。
そのため、低用量ピルでは対処できないと医師が判断した場合のみ処方されることが多いです。
日常的な経口避妊薬としてピルを使いたい人でも、女性ホルモンによる副作用が気になる人や、体質が理由で低用量ピルの処方を受けられない人向けに開発されたのがミニピル。
副作用やリスクのある人がミニピルを服用できる理由を解説します。
本来ピルはエストロゲン(女性ホルモン)・プロゲストーゲン(黄体ホルモン)という2種類の女性ホルモンが配合されています。
ミニピルにおける最も大きな特徴はエストロゲンが配合されておらず、プロゲストーゲンのみのピルであることです。
ピルの副作用が抑えられ、副作用が理由で低用量ピルや中用量ピルを服用できない人の経口避妊薬として選ばれています。
正しく服用すれば高い避妊効果が期待でき、子宮内膜症等の改善を目的として処方されることもあります。
低用量ピルが体質に合わない人でも安全性を保って服用できるので、ミニピルの使用をおすすめする場合があります。
ピルには中用量ピル・低用量ピル・ミニピルといった種類があり、それぞれに特徴や用途があります。
緊急避妊薬等に使われる中用量ピル、経口避妊薬や生理トラブルの改善に使われる低用量ピル。
普通のピルが体質に合わず服用出来ない人にも処方できるミニピル。
ピルの種類とその違いを理解し、目的や体質・ライフスタイルに合わせた処方を受けるようにしましょう。